社会|2025年6月2日掲載

牧野正志氏、吉野智一氏が「アライナー矯正治療戦略【Ⅱ級不正咬合】」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第72回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第72回WEBINARを開催

 さる5月29日(木)、牧野正志氏(千葉県開業)、吉野智一氏(埼玉県開業)によるWEBINAR #72「アライナー矯正治療戦略【Ⅱ級不正咬合】」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、牧野氏、吉野氏の共著『アライナー矯正治療戦略 メカニクスから考える治療を成功に導く戦略体系』の内容をベースに行われた。

 まず、吉野氏はⅡ級不正咬合治療における4つの基本方針である「上顎歯列の遠心移動」「上顎の片顎抜歯」「上下顎小臼歯の抜歯」「成長期の下顎前方推進」について解説した。このうち、基本の選択肢となる上顎歯列の遠心移動について症例を供覧し、治療方針の選択においては臼歯・犬歯関係や前歯歯軸に加え、骨格パターン、Spee湾曲、年齢も考慮に入れることが重要であるとした。また、アライナー矯正治療ならではの注意点や生じやすい副作用を挙げ、その対処法などを詳解した。

 続いて、牧野氏は「上顎歯列の遠心移動」か「上顎の片顎抜歯」かの選択に悩む際の判断基準を、症例を交えて解説した。基本的な判断ポイントとして、臼歯関係、骨格パターン、オーバージェットの3点を挙げ、どの場合にどちらの方針に分類するかを述べた。それでも治療方針の決定が難しい場合には、さらに犬歯関係、Spee湾曲、側貌も判断ポイントに含めることを推奨した。また、Ⅱ級臼歯関係の程度が左右で非対称な症例に対する治療戦略についてもふれ、その原因が上下顎どちらにあるかをまず見極めることが、適切な治療選択につながるとした。

 講演後には、事前に受け付けた参加者からの質問に対して両氏が回答する時間が設けられた。Half ClassⅡ症例における上下顎の移動方向および量の設定、歯科矯正用アンカースクリューの使い分け、ドリコフェイシャル改善のための戦略、アンカレッジロス防止の施策などについて多くの質問が寄せられ、両氏はそれぞれに臨床での判断ポイントについて回答した。

 本講演の振り返り配信は、2025年8月29日(金)まで新規購入が可能である。次回のWEBINAR #73は、きたる6月24日(火)、辻本真規氏(福岡県開業)を招聘し、「オーバーレイ修復を始めてみよう!」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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